当時の私。


瀬奈(せな)、24歳。

キャバ歴2年。

当時同棲していた彼氏との失恋により、夜の世界に入る。

最初は昼の仕事と掛け持ちしていたが、職種が営業職だった為次第に掛け持ちが困難になり夜を選んだ。

…という、典型的なパターン。


大学卒業後に入った会社は人間関係が凄く良く、有り難い事に成績も上々で私にとってはとても居心地の良い職場だった。


そんな職場を蹴り、夜の世界に入ったのは何故だろう…

今でも時々考える。


"勢い"と言ってしまえばそれまでだが、今まで自分の暮らすテリトリーには全くなかった新しい世界に魅力されたのは事実だ。


綺麗にセットされた盛りまくりの髪に、濃いめの化粧。

そして、これまた盛りまくりの長いネイル。

身体のラインと胸が強調されたキラキラのドレスに、高いヒール。


普段の生活では中々出来ない格好に興味が湧いた。

そんな姿で香水のいい匂いを漂わせながら夜の街を闊歩するお姉様方に憧れた。


ただ、"やるからには１番になる"。

仕事に営業を選択するぐらい負けず嫌いな私は、そんな決意を持って夜の世界に飛び込んだ。


これから書くのは、そんな私の小さな小さな恋のお話…