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3章:一人
父など居なくなってしまえばいい。
母を守り支えるのは
私だって、言い聞かせた。
自分自身に必死に言い聞かせている自分が、
とても怖くて
不安で
震えていた。
この日を最後に
父は
私と母の前から姿を消した。
母と、二人きりの生活は
苦しく、決して安定した生活では無かった。
母を守ると決めたはずの私は、
母を守るどころか
自分を守ることに必死だった。
母と二人きりの生活をはじめてから
母は、朝、昼、晩と
毎日働き続けた。
小学生の私にはいろんな部分で支えになってあげることなんてできなかった。
朝起きると母の姿は無く
無言のまま家を出て学校へ向かった。
学校から帰宅すれば
薄暗い部屋の中、
机の上に、お弁当と置き手紙。
「食べてください」と書いてある小さな紙を更に小さく丸め、ゴミ箱に捨てた。
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