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43章:和解への道程 (1/8)

43章:和解への道程

祖母が来る前日、中華料理が好きな祖母の為に、油淋鶏を作ろうと仕込みをした。

子供は、好き嫌いがないように教育してきたが、ただの唐揚げにした。
と言っても、ソースをかけないだけで、味付け自体は同じだが。

付け合わせは、ナムル。

これも作っておいた。

ここまで準備しておけば、あとは10分でできる。

そして予定の11時。
約束通り、祖母が来る。

『いらっしゃい。』

笑顔のワタシの横で

『こんにちは』

子供がスリッパを持って出迎える。

『あら、ありがとう。』

手土産のケーキを子供に渡す。

『ありがとー。』

ケーキを冷蔵庫にしまうよう子供に促し、祖母をリビングに案内する。

『カスミは昔から綺麗好きよね。』

部屋を見渡した祖母は言うが、本当はそんな事ない。

子供の頃は、僅かな時間でも物を出しておくと、妹に破壊されるし、今は子供が小さいから、物を出しておくのが危険だと判断しているだけ。

要は必要に迫られて、遣らざるを得ないのだ。

その事を祖母に伝えると、

『お婆ちゃんから見ても、カスミは可哀想だったと思うわ。』

ワタシは、可哀想な子だったのか?

実際、淋しい思いをしたけど、自分を可哀想な子だとは、思った事がない。

『なぜ、そう思うの?』

昼ご飯前なので、お茶だけ出しながら聞いた。


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ビタミン ©著者:まっきー

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