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40章:母の過去 (1/4)

40章:母の過去

ワタシが物心ついた時から父親はいなかった。
離婚をしている訳ではない。
小さい頃は

『お父さんは仕事が忙しいから帰ってこれないの。』

と聞いていた。

小学校の高学年にもなると、さすがにオカシイと思い始めていたが、父親がいなくて当たり前の生活だったので、特に気にしていなかった。

高校になると、実は離婚してんじゃないか?
と思っていたが、ワタシにとっては、どうでもいい事だった。

そんなワタシの思いの裏にあった、母親の苦悩の日々を祖母は語る。

【お父さんは、カスミが幼稚園に上がる頃、恋人ができて同棲してる。
それは今でも続いてる。】

【離婚を迫られたけど、お母さんはカスミの為に受け入れなかった。】

【カスミが小学校の時、お父さんの恋人が押しかけてきて、離婚を迫り警察を呼ぶくらいの修羅場があった。】

【女手一人、カスミを立派に育てる為に厳しくしていた。】

【フミ(妹)が、重度の障害で目が離せないから、口で言うしかなかった。】

【ただでさえ、一人で子育ては大変なのに、1人は障害者。
ハンパじゃないよ。】

カスミも大人なんだから、少しはお母さんの苦労を分かってあげて

『お願いだから。』

と祖母は言う。

でもワタシは嘘をつく事が身にしみていて、素直な心をとうの昔に置いてきた。

『お母さんも大変だったんだね。
でも、寝てたら、いきなり叩かれて起こされた挙げ句、意味が分からない事で怒られた事があんだけど、大変だったから…の言い訳にはならないよね。』

『頭ごなしにダメダメ言われても、理由がないから素直に諦められなかったもん。』

『なんか、女手一人でワタシを立派に育てるって、見栄?
自分のプライドを保ちたかったの?』

『そんな母親にウンザリして、当てつけに引きこもろうかと思ったけど、ワタシは嘘つく方を選んだ。』

『そもそも大変だったから〜で、何でも済ませられるの?
ワタシは、そうは思わない。』

やはり素直になれないワタシ。

祖母は、更に哀しそうな顔をした。
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ビタミン ©著者:まっきー

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