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20章:盗聴
こんなやりとりがあった翌日は、仕事に行く気分になれなかった。
家にはヒモがいるが、どうしても出掛ける気持ちにならない。
それどころか、布団から出る気力がない。
幸いにも、ヒモは、夜中までゲームしていたので、まだ起きてこないし、子供も寝ている。
なので、そのまま横たわっていた。
あどけない寝顔を見ながら、昨日の事、お腹の子、今までの事が走馬灯のように頭を巡る。
自然と涙が出てきた。
止まらない。
ごめんね・・・
この言葉すら、誰に向けていいのか分からない。
ワタシの心は、グチャグチャだ。
誰か助けて!
と、悲鳴をあげている。
他には何も考えられない。
ただ、心が悲鳴をあげているだけ。
こんな時間が、どれくらいあったのだろう。
朝日が昇りはじめ、部屋にさす光で、やっと起きた子供。
『ママ、オハヨ』
そう言ってニコッとする子供を
『おはよう』
と言って抱きしめた。
『どしたの?』
と言う子供。
涙は拭いても、腫れている目。
『今日は、ママと一緒にいよう。』
精一杯の笑顔で答えた。
喜ぶ子供を再び抱きしめた。
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