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20章:盗聴 (2/7)

自分はお腹すいていなくても、子供には何か食べさせなきゃいけない。

そう思い、パンケーキを作り始めた。

もうすぐ2歳になる男の子だけど、家のお手伝いをよくしてくれる。

この日もパンケーキの生地をこねるのを手伝ってくれた。

何も知らずに楽しそうにしている子供を見ていると、また涙が出そうになる。

そんな気持ちをグッと堪え、何もなかったように振る舞う。

フライパンに子供の手をとり

『ハートの形にしようか。』

と、フライパンに生地を流し込む。


台所からの匂いにつられ、
『なんだ。女って、立ち直り早いな。』

と言いながら起きてきたヒモ。


『アナタも食べる?』


と言う言葉に被せるように、

『オマエ今日仕事は?』


『休んだ。』


『ふん。女は立ち直りが早くてノンキな生き物だな。オレちょっと出掛けるから、昼飯いらね。』

と言い残し、サッサと着替えて出かけて行った。


その瞬間、膝から崩れたワタシ。

『ママ〜らいようぅ?』

と近付いてきた子供を抱き寄せ

『ありがと。大丈夫だよ。パンケーキできたから食べようか。』


『わーい。ハートのケーキーらぁ。』


以前、ヒモに叩かれた時、鼓膜が破けた子供。

そのせいで、言葉が同じ年の子供より辿々しい。

その辿々しい言葉で、いつもと違うワタシを気遣っているのか。

そう思うと、また泣けてくる。

子供に涙を見せまいと、すればするほど、こぼれてくる。

今日のワタシは、涙腺が壊れて、本当にダメだ。

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ビタミン ©著者:まっきー

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