ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

20章:夜明け (1/2)

20章:夜明け



フゥ〜・・・




吐き出された白い煙が、

風と共に踊って消える。




「観ろよ」




首を向けてそう促す、

彼の視線の先を追う。




「わ・・・」




静かなさざ波が立つ東京湾が、




ゆっくりと少しずつ、




少しずつ太陽に染まってゆく。




「どんな気持ちだ


「え


「この景色だよ




しばらくの沈黙の間を破り、

彼がアタシに問いかける。




「う〜ん・・・




何か上手く言えないケド、

何か凄い、




心が清々しい感じ・・かな




海はよく行ってたケド、

こんな真剣に見つめたコトはナイ。




ましてや朝日が登る瞬間なんて、

考えてみれば初めて見る気がする。




「清々しい・・・か・・・」




朝焼けに目を細める、

もう1つの黒い太陽が呟く。






「ずっと嫌いだった」


「え


「名前だよ

自分の名前」


「・・アケミ


「そう。

変わった名前が当たり前みてぇになってる現在と違ってよ、

当時にしちゃあ随分ハイカラな名前だったからな




ガキの頃はよくそれでからかわれてイジメられたぜ

女みてぇな名前だってな




だからオレも、

ずっと嫌いだった。




オヤジが何を考えて、




オレに何を見てたのか、




理解らなかったからな・・・




あの頃はよ・・・」




そう言ってまた、

彼はラークをくわえる。




159 /160

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

白い向日葵 ©著者:海

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.