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17章:器 (1/25)

17章:器



フゥ〜・・・




白い煙が勢いよく、

彼の口から吹き出る。




「何だよオマエ

鳩が弾(マメ)喰らったみてぇな顔しやがって笑」




それを言うなら、

豆鉄砲だろ




弾(マメ)喰らったら、

死んでるわボケ






「・・・。

それで・・・

ありがとう・・・

だったの・・・




何とも表現し難い気持ちを、

やっとの思いで口にする。




「何だ不満か


「イヤ

不満とかじゃなくて・・・」


「納得出来ない


「イヤ

そういうのでもなくて・・・

何か・・・

普通じゃないって言うか・・・

あ〜

もうわかんない




思わずワインを、

一気してしまうアタシ




自分でも、

何言ってんのか、




何が言いたいのか、

解らない。




そんなアタシを見つめて、

彼が言った。




「じゃ聞くが、

普通って何だ


「え

・・・




言葉に詰まる。




「金の遣い方は人それぞれだ。

オレは、

ある時から金の遣い方を考え、

そしてそれを変えてきた。

向日葵に一千万遣おうと、

オレは少しも惜しくは無い。

それがオレの気持ちだからだ。

それよりもパチンコで千円負ける方が、

オレにはよっぽど惜しいぜ

オマエのその目に、

オレがどう映っているのかは知らんが、

オレは特別金持ちでも無い。

ただ、

自分が出来るコト、

したいと思ったコトには、

全力で派手に遣う。

出来る範囲でね

ただそれだけのコトだよ」




そう言って、

優しく笑った彼。




ラークをくわえたその横顔が、

今でもハッキリ、




アタシに焼き付いている・・・




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白い向日葵 ©著者:海

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