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26章:極めて稀に
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「………帰ってもらっていいですかね」
しっかりと
客の目を見据えて
静かに言い放ったボク
「私はあなたとセックスしたくありません。
お金もらってもやりたくありません。
金なんていらないので帰ってください」
横柄にちんこを突き出していた客は
ボクの放った言葉を聞いて姿勢を正し
「いや、お金はちゃんと払うし。俺は別にいーから。そんなつもりじゃ…」
むにゃむにゃと言い訳を始める客
「いえ。私がムリなので帰ってください。スタッフに全額返金するよう言っておきます。そのお金で別の嬢に入り直すなり、別の店に行くなりした方が、あなたも有意義な時間が過ごせますよ。決して安い金額ではないですから」
「これくらいの金額どうってことはないし…君でいいんだけど…」
まだむにゃむにゃ言う客に
あーまぢイライラするわ
早く帰ってくれ、と言い捨て
ボクはサッサと先に風呂から出て衣装を着てフロントにコールしました
「スミマセン、接客できないので降ります」
嬢からの接客拒否は
しょっちゅうではありませんが、たまにある為スタッフも慣れています
「あー分かりましたぁ。今から行くね。大丈夫?」
「あはー。大丈夫ですよ。後よろしくです」
それだけ言うとインターホンを切り、広げていたお仕事道具をカゴに片付け始めます
客は、まだウダウダ言いながら腰タオル一枚の姿でいるので
「今からスタッフが来るので早く着替えてください。私は部屋から出ますので」
顔も上げずに冷たく言いました
「あんたも一緒にいたらいーでしょ」
着替える素振りも見せずに食い下がる客
「俺はチェンジする気もないし」
なにを言うかバーカ
「私が接客したくないんです」
押し問答をしている最中にノックの音がしました
「どーぞー」
扉を開けてスタッフを招き入れると
「降りていいよ」
お許しがでたので
「お金、全額返金してあげてください」
「脱いでないの?」
「脱いだよ(笑)一緒にお風呂も入ったけど、いらない」
それだけ言うと荷物一式持って待機室に行きました
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