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16章:秀兄ちゃんへの手紙。 (1/2)

16章:秀兄ちゃんへの手紙。

秀兄ちゃんへ


秀兄ちゃんが、あたし達からいなくなって、もうすぐ1年になります。また暑い夏がやってくるよ。


あたしはこの1年、どれくらい成長したのかわからないけど、でも秀兄ちゃんの存在を忘れない日はありませんでした。


秀兄ちゃんを思うと、やっぱり涙が出て、切り替えようって思っても思っても、全ての出来事はまだあたしの中に色濃く残っています。


リョウは元気だよ。マリも元気。あたしが、スルリと落ちてしまいそうになったら、2人は、いつもあたしが落っこちないように、側にいてくれてる。あたしは相変わらず、手のかかる妹役。


ねぇ、秀にぃは、息が止まるそのとき、あたし達と家族でいることが、本当に全部つらかったかな。少しはいい思い出もあったかな。


秀にぃのいない未来を、あたしはこれからも頑張れるかな。心から笑えるかな。


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兄ちゃんが死んだ夏。  ©著者:マキタ アヤ

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