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11章:花(ハナ)、誕生。
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11章:花(ハナ)、誕生。
こうして誕生した。
社長命名
「本村花(モトムラハナ)」
「ハナ、ハナ、ハナ」
そう頭で繰り返すうち、なんだかすっかり「ハナちゃん」になった気になるから、不思議なものだ。
「写真もとれたし、名前も決まったし、じゃあハナちゃん、これから研修のDVD見て、それからさっさと一件目行っちゃおうぜ!!うーん楽しみだね、ハナちゃん!!」
相変わらずノリだけは抜群の社長。研修のDVD頼むよーと、今度はタカシタカヤ兄弟に頼み、再び去っていった。
するとクルッと振り返ったのは、乙女店長だった。
「ハナちゃん!!すっごく素敵な名前じゃないのー!!いいわねぇ、似合ってる!!あたし、バッチリコメント書いて、ハナちゃんを売れっこにするわぁ」
興奮気味の乙女店長。しかし今、あたしって言った。。。それはちょっと行き過ぎじゃないかと、突っ込みたい気持ちでいっぱいだったけど、一度突っ込むとなんだか、乙女店長との関係が崩れてしまう気がして、速攻あきらめたあたし。
だいたいなんで、乙女店長なのか、言ってしまえばそこから全ておかしいんだけど。。。
「それでは、さやさん、いや、今日からハナちゃん、DVDみましょっか、案内しますよ!!な!?」
相変わらずすぐにどちらかの同意を求めるタカシタカヤ兄弟。
あたしは、「よろしくお願いします」と当たりさわりない挨拶。
しかし、DVDをタカ弟くんがセットしている間、どうしてもタカ兄の方に、乙女店長への疑問を目でぶつけてしまう。それにしばらく気がつかないふりをするタカ兄。しかしやはり、無視しきれないのもタカ兄。
「とりあえず、店長、ハートは女子なんで。」
とゆう、ものすごくザックリした説明。
「社長に隠してるの?」
あたしが心配な感じで聞いたのがちょっとおもしろかったみたいだ。
「そうゆうわけじゃないんですよ。な!?」
そう言って、タカ兄はいつもと同じくタカ弟くんに同意を求めた。
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兄ちゃんが死んだ夏。 ©著者:マキタ アヤ
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