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1章:突然の電話
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1章:突然の電話
秀兄ちゃんが死んだって。
死んだ??
何言ってんの、何??
おかしいよね??
ねぇ、だから、意味わかんないんだってば。
床にヘタリとしゃがみこんだ。ヒンヤリつめたい床。夏の床とゆうのは、つめたいのだとそんなことを思った。
周りの雑踏だけはちゃんと聞こえた。
「お疲れさまー」「お疲れぇ」「今日も売れなかったしー」「まじ、疲れる!!」いつもとおんなじ職場のロッカールーム。
隣で親友のマリが私の携帯で一生懸命しゃべってる。相手はあたしの弟のリョウ。あたしは混乱のあまり、マリに携帯渡したんだ。
「大丈夫です、はい、はい、ちゃんと連れていきますから」
「はい、今しゃがみこんじゃってるから一緒にタクシーで行きます、いや、全然大丈夫です、気にしないでください」
マリはリョウを少しでも安心させようと、気丈にふるまって、しっかりとした声で話していた。
あたしは、冷たい床にのせてるヒザが少しずつ震えてくるのがわかった。
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兄ちゃんが死んだ夏。 ©著者:マキタ アヤ
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