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10章:最終章〜これが生まれてきた運命だ
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10章:最終章〜これが生まれてきた運命だ
その頃あたしはまだ
研究室に居た
イヴはあたしに呟く
「今、一つの命が消えた
みなみね」
・・・・っ!
あたしはイヴの肩を揺らした
「みなみが死んだ?!
嘘でしょ!!!」
「嘘じゃないよ
まながここに居る間にも
次の命が消えかかってる
とわの命も薄くなっている」
イヴの声にあたしは
目を大きく開ける
次の命って・・・
薄くなってるって・・・
とわの所に行かなきゃ!!!
・・・・っ!
動こうとしても
足が動かない
「怖いんだね
気持ちは急いでも
体は動かない
何て弱い生き物なの
人間は」
・・・・・
イヴの声にあたしは
胸が痛んだ
怖いよ・・・・
こんなに怖い思いしたの
初めてだよ・・・
足が震えて
どうしようもねえよ・・・
こんなあたしは
弱いよ・・・・
あたしは拳を握る
その頃、とわ達は・・・
ようすけの拳をかわし
あさひはようすけの背中に
肘うちをした
・・・・っ
ようすけはバランスを崩す
「弱い奴は黙って見てろ
見てるだけでイライラする」
あさひはそう言って
ゆきとあいりに合図を出した
ゆきとあいりは
ようすけを蹴った
「邪魔な奴はあいつらに任せて
俺らの話をしようか、とわ」
あさひの声にとわは睨む
「俺はお前を死なすには
惜しいと思ってる
お前は肝がすわってるし
そう簡単には動じない
みなみが死んで
ようすけが今
ボコボコにやられてても
どかで冷静で
何かを考えてる・・・
違うか?」
あさひの声にとわは
口を開いた
「お前と一緒にするな
俺はお前みたいに
冷酷な人間じゃない
これでも俺は
煮えくり返るくらい
キレそうなんだ」
とわはそう言って
拳を握る。
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