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5章:両親と化け物が歩き出す
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「友達ね、いい友情映画
感動したわ」
あたしは涙目で女を睨む
「その友達が今
あなたのお友達に
襲いかかるわ」
みなみの指がピクッと動いた
「感情があるかないかは
分からないけどね
この子の生命力ね」
みなみが目を開けた
紫かかった顔
浮き上がる血管
女はベルトを外した
「さ〜隣に居る男を
食べる?食べない?」
ようすけがみなみを見た
みなみはゆっくり起き上がる
「・・・みなみ、ダメだ・・・」
のぶが呟く
「・・・気を確かにもて・・・
隣に居るのはようすけだぞ・・・」
とわの声にみなみは首を
コキコキっと鳴らした
ようすけはみなみに話かける
「・・・みなみ、覚えてるか?
お前が俺にハンカチ
渡してくれたろ?
喧嘩して口に傷が出来た時
みなみ・・・俺にハンカチ
渡してくれたんだ
不器用に・・・目も見ないではいって」
みなみはようすけに近づく
「・・・・・俺はその時お前に
恋したんだ」
シャー〝〝〝!!!
みなみはようすけの首に
かぶりついた
「ようすけ!!!」
とわとのぶが叫ぶ
ようすけは涙を流しながら微笑んだ
「大好きだよ・・・みなみ」
みなみはようすけの肉を
ひきちぎった
「イヤーーーーー!!!」
あたしは叫んだ
次から次へと友達を
失っていく
こんな日が来るなんて
誰が想像した?
急に訪れた恐怖に
あたし達は何が出来る?
「・・・・・・・・・・殺して・・・」
・・・・?
みなみが呟いた
「・・・・・・・・・殺してよ・・・」
みなみが涙を流しながら
口を赤くしながら
そう言った
ようすけはみなみの顔を見て笑った
「一緒にいこう・・・みなみ」
ようすけは最後の力を
振り絞って
隠し持っていたナイフで
みなみのこめかみを指した
そしてようすけも・・・
自分の喉を切ったんだ。
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