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10章:公衆電話
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雪が降っていた。
走るたびに背中のランドセルがガシャガシャと鳴る。
どのくらい走ってきたんだろう。
冷たい空気で喉が痛い。
疲れた足を止めて空を見上げた。
真っ暗な空から降ってくる雪が、私を吸い込んでいくような感覚。
このまま空に行けないかな…。
そう思うと涙がさらに出てくる。
いくら走ったって空には行けない。
足にまとわりついた感触は、いくら拭ってもまとわりつく。
きっと高い所に飛ばないと、空へ飛んで行かないと離れないんだ。
ザワザワとした感覚がまた足を上ってくる。
まだ息が整わないけれど、私はまた走り出した。
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