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9章:港南台 (26/26)

膝を抱える手が震えている。


え、禁断症状ってヤツ?


眉間のシワを深くしながら視線を上げると、明日香の頬に涙が流れていた。


「え!?何で泣いてんの!?」


泣いてるのに気づくと、明日香は膝に顔をうずめて肩を揺らした。


「私もう死にたい!!死にたいのに死ぬの怖いの!!」


…。


「もう全部がヤダ!施設も学校も全部ヤダ!!」


…。


「逃げる場所なんかないんだから、死ぬしかないじゃん!!!死にたいけど怖いんだもん!!」


明日香が泣きながら怒鳴るのを、私は黙って見つめていた。


…いや、黙って見つめることしかできなかった。


私に言わないで…。


それ以上言わないで。


思い出す…。


思い出したくないことを思い出すから、やめてよ。


明日香を見つめていたはずの目には、私の過去が映し出されていった。
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かげおくり ©著者:虹

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