1章:いじめ (2/2)

根暗で、いかにも、イジメに会うタイプ。

気が小さくて、泣き虫。

女に生まれながら、男として育てられ、自分は男になると信じていた。


ターゲットとして選ばれたのは、小学校３年生になった頃。

絵に書いたようなイジメが始まる。

担任の先生曰く…

『イジメられる方が悪い』

らしい。


親は無関心。


靴が消え、教科書が消え、体操着が消え…筆箱が消え…


それでも、ただ、泣くしかできなかった。

反発する勇気なんて、カケラも存在すらしていなかった。

この時は…

まだ…。

そんなイジメは、卒業まで続いた。