9章:ミカちゃんの恋 (10/10)

椎名を好きな訳じゃない。


その時の僕は


とにかくこいつをミカちゃんから離したかっただけだった。


「ねえ、付き合ってもいいｹﾄﾞ、ミカとはもう会わないでね？携帯のデータも消してくれるよね？」

「ああ、あいつはもういらないからいーけど。何、お前束縛とか結構するタイプ？」


「そんな事ないけど。浮気したいの？」


「いや、そんな気はねーよ。」


嘘だろうな。
こいつは絶対浮気する。


ミカにバレないように
毎日連絡を取り合い
数回デートをした。


一ヶ月位でミカちゃんは椎名さんを忘れ

新しく入った若い黒服が可愛いなんてキャピキャピし、仲良くなっていたから


僕はいきなり椎名さんを着信拒否した。


鬼電来てたｹﾄﾞ


知るか。


仕事ではいつものように接して


プラベの連絡を一切無視した。


送りも、店長に頼んで違う人にして貰った。


元々不真面目な奴だったから


気まずくなったのか


椎名は仕事を飛んだ。


サヨナラ椎名彰、もう二度と僕らの前に現れんなよー。


ちなみに後から知ったが

奴には何と奥さんと子供がいたらしい。


はあ。ｸｿｻﾞﾙめ…。