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3章:キス
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冬の道を走る車
仕事の話、恋愛の話をして楽しい時間はあっと言う間に過ぎていく。
周りから見ればカップルにも見えるだろう。
でも、私には旦那がいる。
そんなことを考えていたらいつの間にか会話が途絶えていた。それに気付いていたのかは分からないが、司くんは『コンビニ寄っても良い??』と聞いてきた。私は『うん』と首を縦に振り頷いた。それとほぼ同時にコンビニの看板が見えたので彼は車を駐車場に入れた。
『一緒にいく??それとも待ってる??』
(………??)
一瞬何で聞くのかと不思議に思ったが、私の立場があるから、彼なりに気を遣ってくれたのだろう。
幸い家からは離れていたので、一緒にコンビニに入ることにした。
お菓子コーナーで商品を見てると、彼が私の横に来て頭を撫でた。
身体がびくっと反応し、とっさに彼の方を見る。
『どうしたん??』
『いや、明るい所で初めて見たって思ってさ…』
さっきまで車の中で視界が暗くて、私も初めて明るい所で司くんを見た。ただ、恥ずかしい気持ちが邪魔をして直視はできなかった。
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