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10章:〜天秤〜
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未歩は、そんな翔の肩を揺らし、何度も名前を呼び続ける。
それでも目を開けてはくれない翔に未歩が泣きながら抱きつくと、翔の背中に回した自分の手に何かヌルっと生ぬるい感触が伝わる。
未歩が恐る恐る、自分の手についたそれを確認すると、手が、血で真っ赤に染まっていた。
「あ〜あ(笑)お前が逃げたからいけないんだよ。」
未歩が震える手のまま声の方を向くと、そこには正樹と隼人が自分を見下す様にたっていた。
「お前のせいで、こいつ殺しちゃったじゃゃん(笑)」
正樹は不気味な笑みを浮かべながら翔の背中を蹴飛ばす。
いっ・・・・いや・・・嘘・・・
何が起きたか、理解する事が嫌だった。
そんな未歩を嘲笑うかのように正樹は未歩に何かを投げ、未歩はソレを両手で受け取った。
「それが裏切り者の春奈だ・・・裏切るとこうなるんだよ・・・(笑)」
未歩が両手を見るとそこには、肉片の塊があった。
「いっ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
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