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6章:〜偽り〜 (103/104)




二人は番号を交換すると、お互いが知り合いという事は春菜が動きづらくなるし、後々きっと面倒にもなるので、隼人等にはバレない様にしようという事になり、しばらく話をすると、春菜は仕事の為、部屋から出ていった。




未歩は、部屋に一人取り残されると、痛む体でゆっくりとベッドに寝転がり、また灰色の天井を見つめた。



・・・春菜ちゃん・・・ありがとう。


誰かに話を聞いてもらえるって、こんなに楽になる事だっけ・・・。

一緒に悩んでくれる人がいる。

それだけで嬉しい。


・・・春菜ちゃんが言っていた事は上手くいくだろうか・・・


・・・第一、あいつらに酷い目にあった菜々絵ちゃんが、今さら関係のない私の為に動いてくれるのだろうか・・・


・・・・・・。


・・・どうなるかは分からない・・・

・・・今は春菜ちゃんを信じよう・・・



・・・自由

・・・自由になったら、翔さんとも遊べる。



・・・自由にならなければ翔さんとはもう遊べない。


・・・次・・・次バレてしまっったら、きっともう、あいつ等は私を許さない。


・・・怖い。
昨日の正樹の目・・・
・・・本当に昨日死ぬかと思った。
・・・怖い。
もしも次バレたら、その時は・・・もしかしたらあの女の様に殺されるかもしれない。

私、死んだ方がましなんていったのにやっぱり・・・やっぱり死ぬのは怖いんだ。
情けない・・・
逃げてしまうのが、きっと一番簡単だ。
でもそんな事したら、結実が被害に合う・・・
自分の両親も・・・
第一・・・きっと逃げきれない。
あいつ等はきっと、どこまで行こうと追いかけてくる・・・
・・・私は・・・私は何をすればいいんだろう・・・
何が出来るんだろうか・・・



未歩はそう考えながら、瞼をゆっくりと閉じた。


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