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9章:桜が散るまで
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9章:桜が散るまで
付き合い出して間もなく桜を二人で見に行った。
目黒川の桜だ。
人が少ない平日を選んで、手を繋いで歩いた。
思えばあの頃が一番幸せだったかもしれない。
桜を見に行くまで神社に寄っておみくじを引いたり、目黒川沿いを散歩しながら小さなお店に入ってみたり。
お金のかからないことが一番幸せを感じていたのかもしれない。
さらはさらで、運が悪い事を苦しんでいたかもしれない。
るいは、桜が散るまでは一緒にいようと思ってた。
だけど桜が咲く前の三月に二人の間に一つの結末ができてしまった。
さらは料理上手で、会う度に料理をしてくれた。
名前を書きあったオムライス、るいの一番のお気に入りだ。
さら−−
色々あったけどありがとう。
さらといると醜い気持ちの自分がいるからずっと苦しかった。
さらの笑顔はかわいらしかったよ。
もう何度も二度と会う事はないと思っていたのに、君は私の前に現れたね。
だけど−もう、そろそろ?だね。
遂にさよならなんだよね?
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桜が散るまで ©著者:砂糖ほたて
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