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35章:大家
とある一組のカップルが、何故かすぐに住居人が恐怖の余り引っ越してしまうアパートへお金もなかったので住むことにしました。
二人とも霊感はなく、幽霊が出ても大丈夫だと思っていました。
引っ越しをした初日、大屋の所へ挨拶に行ったところとても優しく接してくれました。
二人はこのアパートは幽霊が出るのか聞きました。
すると大屋は
「一年くらい前かな…このアパートの住人が八つ裂きにされて惨殺されたんだよ……あちこちから借金してたみたいで、家賃も滞納してたんだけどとても人あたりがよくてねぇ…他にも何人かここの住人が惨殺されていて…」
大屋は目に涙を滲ませて言った。
「そうですか……」
彼女が言うと
「あっ、そうだまだ犯人も死体も見つかっていなくてねぇ、この辺は物騒なんだよ。気をつけてね」
大屋はにこりと言った。
その夜……彼女は何かに気付いたように震えていた。
彼氏が聞くと、
「殺される…まだ死にたくない」
と連呼している。
詳しく話を聞くと
「前の住人を殺したのは大屋さんなんだよ?だって……だって大屋さんが死体の状態知ってるわけないじゃん。死体は見つかってないんだよ?」
彼氏は顔をあおくしてすぐに引っ越しを決めた。
今そのアパート、大屋はどうなっているのだろうか…
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都市伝説 ©著者:坂本歳三
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