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21章:コインロッカー (1/2)

21章:コインロッカー

コインロッカー

199X年都内某所にて、ある女が赤ちゃんを産んだものの育てられず、駅のコインロッカーに遺棄して死なせてしまうという痛ましい事件が発生した。

警察の懸命の捜査も虚しく、遺棄した人物は特定できず、その女は平穏な生活へ戻っていった...

それから数年後、その女はごく平凡なサラリーマンと結婚し、幸せな家庭を築いていた。

そして、結婚2年目のその身体には、新たなる生命が宿っていた。
その女にとっては、2度目の妊娠であった。

妊娠してみて、その女は初めて、以前捨てた子供のことに思いをはせた。「これから産もうとする子と比べ、なんて可哀相なことをしたのだろう」

女は自責の念に駆られ、人知れず涙した。
そしてその女は「せめて花だけでも添えて供養したい」と思い、花を持参して赤ちゃんを捨てたコインロッカーの所へ向かったのであった。

あの日以来、決して足を向けることのなかったその駅は、数年の歳月を経て、その雰囲気は大きく変わっていた。
そのため、女は例のコインロッカーの場所がわからず、途方に暮れるのであった。

交番や駅員、あるいは町行く人々に聞けばよいのだが「後ろめたい事をしている」という気持ちのせいか、それもできず、いたずらに時間だけが過ぎていった。

身重の身体がきつくなってきた。その時

「コインロッカーを捜してるの?」

と、突然背後から声がした。

振り向くと、そこには8歳ぐらいの色白の男の子がたっていた。

女が「うん、そうなんだけど、場所がわからなくて...」と言うと、男の子は
「僕、知ってるよ!こっちだよこっち」

と言って、女の手を取り迷路のような構内を走り始めた。
心身ともに疲れきっていた女は、その子供に引かれるまま、その後を着いていった。

そして、女はあのコインロッカーの前に辿り着いた。

そう、そこは確かにあの時のコインロッカーだった...

女は、安堵感から「フー」と一息ついた後、男の子に「ありがとう」と礼を言った。

男の子は、ニコリともせず、ジーッっと女の顔を見ていた。
その時になって初めて女は、いくつかの不審点に気がついた。
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都市伝説 ©著者:坂本歳三

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