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12章:パチンコ屋
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12章:パチンコ屋
パチンコ屋
俺が3年程前まで働いていたパチンコ屋の話。
場所は神奈川県某所、国道沿いに立つボッタ店。
客からチョコチョコ噂は聞いていた。
便所が勝手に流れたとか夜中にパチンコ台が動き出したとか。
まぁパチンコ屋に付きものの他愛もない話。
特に気にしていた訳でも無かった。あの日までは。
その日は新台入れ替えでスタッフ全員が遅くまで仕事をしていた。
ようやく入れ替え作業が終わり、1階の休憩所(二階建てで一階が休憩所と社員の寮になっている)でスタッフ達と談笑していた時の事だ。
休憩所の店長室からの直通電話が鳴った。
当時リーダーと言う立場の俺が電話を取ると、店長が不思議そうにこう言った。
「駐車場の鍵しめたよね?」
駐車場の鍵は出入り口と共に閉店時に閉めるので、開いている訳は無い。俺自身確認もしていた。
「はぁ。確認しましたが」
そう答えると店長はますます不思議そうな声になった。
「なんか軽自動車が走り回ってるんだよ…」
有り得ない事だった。
と言うのも防犯カメラで見える駐車場は休憩所からも見える位置にある。
俺はイタズラかと思い、
「あぁ多分、マリオカートの練習してるんすよ」
とくだらない返答。
直後、店長がウワッと驚きの声をあげた。
「人…乗ってない」
しつこいなと思いながらも店長なので合わせてあげる事にした。
「○○ちゃん(バイトの女の子)ちょっと駐車場の幽霊を退治してきて」
「ヤダー」
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都市伝説 ©著者:坂本歳三
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