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15章:ホスト〜キラ〜
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財布の中をどう探しても
2300円しかない。
・・・
まじ!!?
やべぇ。
車の助手席やシートの間を探すがない。
ふと運転席を見るとブレーキペダルの下に光ものが。
なんと500円玉が!
よっし!と テンション上がるも100円足りない。
とそこに男二人組のギャル男が通る。
これはもう恥を捨てるしかない・・・
俺は二人に近寄った。
『すいません』
ギャル男A「えっ?なに?」
『俺この街でホストやってる者です。昨日入ったばかりでお金がなく・・・
その・・・100円・・・くれませんか?』
ギャル男A「100円?」
と二人は顔を見合わせる。しばらく沈黙が続き・・・
ギャル男B「なんか良くわかんないけど困ってる感じじゃね??」
ギャル男A「おう、そうだな!どうぞ!」
と100円をくれた。
ギャル男二人にお礼を言いなんとか悪魔のパーキングから抜け出す事が出来たのだ。
が、
俺は帰り道、あまりのダサさと自分の情けなさにかなりブルーになっていた。
こんな奴にホストは出来るのか・・・。
ため息ばかりが出る。
家に帰ると、かなが珍しく手づくりの料理を作って待っていてくれた。
かな「キョウお帰り!ご飯食べて早く休んでね!」
かなの優しさが心にしみる。
さっきラーメンを食べたが、かなの麻婆豆腐をたいらげながら今日の出来事を話すと
かな「世の中いい人もいるもんだね!」
と笑っていた。
王子様の話をすると、かなも名前は知ってたみたいで、水商売の世界では知らない人がいない程有名らしい。
風呂に入り疲れがドッときて倒れ込むように眠りについた。
・・・
・・・
アラーム音が聞こえる。
・・・
頭がガンガンする。
・・・・・・
暗闇の中で携帯を開くと
もう夜の10時。
起きなきゃ・・・
鏡を見ると顔のむくみが酷い。
リビングに行き電気をつけるとテーブルにメモが置いてある。
[頑張れキョウちゃん!]
と書かれ横に5千円が置いてあった。
浴室に行き熱いシャワーを髪に勢いよくかける。
・・・輝きたい。
踏み出さなきゃ・・・。
風呂から出ると全てがリセットされる。
頑張ろう!
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