(1) おばあちゃん



由香は高校を辞め…働く事になった。
勤めたのは温泉街にあるケーキメーカーである｡
家を出たい由香は､住み込みで働ける場所を探したのだろう。


その頃､家ではまた一つ問題が浮かび上がった。

由香の高校中退が原因で母と父が揉めたのである。


離婚する事になる…
母の口から聞こえた言葉だ。
私達にとっては願ったり叶ったりである｡

でも理由が気になる。
美千代が聞いた。

なんで離婚するの？
別にいいけど…

お母さんね…色々な事ずっと我慢して来た｡でも､この前お父さんがぶったのよ!!
だから無理と思ったの


お母さんも叩かれてたの？

今までは手をあげられた事がないから一緒にいれたんでしょ!!


？？？…

つまりは､私達が殴られようが何されようが気にもしない母が｡
たった一度のビンタで離婚？
何を言ってるんだ？

怒りが込み上げてくる
勝手にすれば？
別にどうでもいいんだけど…
美千代が言った。

少しして離婚が成立した。

平和がやって来た。

そんなとき…

おばあちゃんが階段から落ちて骨折をした。
生活がままならないのでアパートを引き払い､また一緒に暮らす事になった。


母親には考えがあったのだ。