(1) 薫


その頃の私は…
少しずつ

変わっていった。


内向的な性格と貧乏な家庭のため､ﾎﾞﾛﾎﾞﾛの衣服をまとっていたせいで､学校では苛められていた｡


バイ菌
ブス

汚い近付くな

子供は残酷である。


その頃から自分の容姿が人より劣っていると認識しはじめた。


姉は目が大きい。
私は一重のﾎﾟｯﾁｬﾘ。
つまりブスである。

本当に姉妹なのか？


おばあちゃんは優しく女は顔じゃないんだよと言った。


でも決して性格は良くない。
完全にひねくれていた

その頃､家では
もっと大変な事態が起きていた。

始まりは､2番目の姉の由香が飼っていた猫だった｡

両目が全部真っ白い膜に覆われてしまった。
多分…病気だったのだろう。

しかし母親は呪われていると言い始めた｡


それには理由があった

引っ越してからというもの､怪奇現象の様な奇妙な事が起きていたからだった。


夜中に鍵を掛けたはずのドアが開いたり。

女性の泣き声が聞こえるなど､私以外の家族は体験していたらしい。

残念な事に私だけは､そういった経験をしなかった。


全くもって何も感じなかった。