9章:友香子 (7/7)

「あや、最近元気ないね」


私の変化を一番に読み取ったのは、親でも担任でもなく、友香子だった。

「ん、そうかな･･」

「もしかして〜恋の病！？だったりして〜！」

「････はっ？」


とんでもない事を口にしながら友香子がはしゃぐ。必死に否定したが、友香子のデカい声のせいでクラスの女子たちがわらわらと寄ってきてしまった。


「えーっあやちゃん好きな人いるの！？誰々〜っ！？」


口々に周りから問い詰められ、

「いやだから違うから！いないから！」

とはっきり否定したにも関わらず、何故だかあれよあれよと言う間に話は進んで、男子の学級委員である松下が好きだと言うことになってしまった。

誰だよ松下･･


まじでー？などと騒ぐ馬鹿共を尻目に、そういえば私、好きな人とか出来たことないや･･

と一人思った。