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20章:レイカという子
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「おはようございます。今日は宜しくお願いします。」
真っ先に挨拶をしてきたのは、レイカのマネージャーだった。
ありさもよっちゃんも初対面だったので丁寧に挨拶をしたつもりだったが、レイカはほんの少し頭を下げただけで、一言も言葉を発しなかった。
その時は、綺麗な子だし高飛車なのかな?と、ほんの少し思ったが、あまり気にならなかった。
対談が始まると、写真が撮りやすいように、ありさとレイカはソファーに並びで座り、わりと密着して座った。
そして、なんとなく視線を落としたありさはあることに気づいてしまい、ぞっとした。
レイカの両手首からひじにかけて、おびただしいリストカットの傷が見えた。
手首付近の傷はまだ新しく、生々しく、えぐったような傷口がぐちゃぐちゃとして、血が滲んでいるように見えた。
ひじにかけても隙間もないほど切り刻んであり、それが両方の腕にあるものだから、ちょっと壮絶だった。
「ちょっと、大丈夫?血出てるっぽいんだけど。」
ありさは思わず、率直に聞いてしまった。
レイカは表情も変えずに、「大丈夫だよー」、と力なく言った。
その時、ありさはレイカが精神的にちょっとおかしくなっていることを悟った。
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