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18章:不信
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「え!?ちょっと待ってね!」
監督がモニターの時間を確認しながら、考え始めた。
「うーん、どうしたの、ありさちゃん?あそこ、痛くなっちゃった?」
監督が努めて優しい口調で問いかけてくる。
「うん、なんか調子悪いわ。ごめんね。」
全く悪いとも思わずに、ぞんざいにそう答える。
「大丈夫か?ありさ。さっきの絡みであそこ傷めちゃったか?」
相田さんが心配そうな顔でありさを気遣ってきたが、何もかもが演技に見えた。
前のシーンの男優のせいにしてんじゃねーよ、このタコ。
「I徹、デカチンだからなぁー、あのやろう。」
音声さんが現場の雰囲気を和ませようと、冗談めかしてそんなことを言うと一瞬の笑いがおこった。
「じゃあさ、あと5分だけ我慢してくれる?最後にちょっと盛り上がる雰囲気を作って、発射にするから!ごめんね、ありさちゃん!」
監督は何ひとつ悪くないけど、ごめんねをやたら繰り返した。
「疑似でいいから!抜き差しは撮んない!」
相田さんにそう指示を出すと、再びカメラが回った。
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