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17章:撮影
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ありさがメーカーにお願いしたのは、ただ一つだけ。
「相田さんを男優で呼んで欲しいの。ありさの撮影の時は毎回。」
プロデューサーにそう言うと、ちょっと意外そうな顔をされた。
「え?相田さん?ありさちゃん、渋いねー(笑)」
プロデューサーもマネージャーも、ありさと相田さんがプライベートで会っていることは知らない。
「なんか、相性良かったから。現場に相田さん居ると、安心するんだよね。」
「ありさ、おっさん好きだねー。」
よっちゃんはあまり面白くなさそうな態度だ。
ありさがセルデビューするメーカーが決まって、すぐに相田さんに会いに行った。
中野のダーツバー。
ありさは初めて行くところだったが、業界の人がよく行くお店らしい。
ありさが行くと、相田さんは店員さんと楽しそうにお喋りしていた。
「お待たせ!」
何となく入りにくかったから、入り口でぱたぱたと手を振った。
「うん。こっちおいで。」
相田さんが手招きしてくれた。
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