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5章:共同生活② (21/21)


少なくとも俺は、放り出そうとしたのだ。

現在のこの全てを、此処にいることも全て、全てを何も無かった事にしたかった。

間違いなく、死を希した。

奈津がしただけで、俺が表に出ていたら俺がそう言う事をしようとしたのだと思う。

ただ俺の存在は特殊だ。

動かなくても、食べなくても、寝なくても、俺は「生きて」いける。

逆に言えば、

食べなくても、眠らなくても、動かなくても、「死」なない。

この身体を殺さなくては。

この身体を殺さなくては俺は死なない。死ねない。

もうその全てが面倒だった。

だから放り投げようとした。

自分が沈む事で。

視ない事で。

生という物を無視する。

そう言う方法を取ろうとした。

俺の脳裏にまきこさんの言葉が鳴る。

『きっとどうすることもできなかったんだよ』

凛々と鳴る。

俺には、奈津の身体だけは、どうにかすることが出来た。

俺はそれを放棄しようとした。

出きるのに、放棄しようと、した。

奈津の手を汚させようとしたのは俺だ。

どこかで俺は理解していたから。

俺が鍵だと云うことを。

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多重人格 ©著者:いたる

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