1章:アキラ。 (2/5)

｢で、名前！名前どうすんのよ？！｣


カスミが、俺の顔を覗き込む。


｢あ、うーん。適当でいいよ。｣


｢もお！ノボルの親友だからって、私は特別扱いしないんだからね｣

頬を膨らませるカスミの顔は、まだ幼く見える。

けれど、ああ見えて２９歳。
適齢期という言葉に
異常な程に反応する
お年頃の女性だ。



そんなカスミは、
出張ホストの女性店長を
任されたのだ。

オーナーは、
俺の幼なじみのノボル。

そして、俺は、
そこのホストとして、
借り出された。