東京の普通の高校。
卒業を目前にした冬。

『お店公認で働ける全額日払いのキャバクラでバイトしてるんだよねぇー』


そんな友達の一言から全部が始まったんだと思う。


へぇー。登録で好きな時にいけて楽そうだなぁ。


本当に軽い気持ちだった。
当時、バイトを2つ掛け持ちしていた私には2500円の時給すら魅力的に感じた。


あまりに知識がなかった。

水商売から抜ける難しさを高校生の私に知る余地も無かった。


ただの、ただのバイトのつもりだった。