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6章:眠りの浅い朝
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6章:眠りの浅い朝
ヴーヴーヴー
眠って1時間経つか経たない頃からずっと鳴り続ける私の携帯
見なくたって相手は分かってる
…一人で
私のためのご飯を作って待っててくれたホストくん
鳴ってるのを気付かれないように手で強く握って、布団に押し付けて、なるべく振動が聞こえないようにした
『携帯…鳴ってる』
気付かれてた…
「お客さんだよ」
『嘘つくなよ。…彼だろ?』
「……」
『…帰れよ。もう帰れよ』
「大丈夫だよ」
『うるせぇよ…いいから帰れよ。待ってる人間いるんだから帰れよ』
「なにそれ」
『もういいから。帰れよ』
「むかつく」
『帰れ。タクシー呼んでやるから』
「うざい。帰る」
顔をまともに見れなかった
悲しそうな顔をしてるってわかったから
でもズルい私は逃げた
頭のはじっこで家で待つホストくんへの言い訳を考えながら…
私は最低だ
保険を作ってるのは私だ
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