9章:−海羽と大海− (3/8)

毎日大海は免許取得を頑張って最短で取った。

それからﾊﾞｲﾄを始めてお小遣いは自分で調達した。




海羽『お母さん紹介したい人がいるんだけど。』


ｱﾀｼ『新しい彼氏？』


海羽『新しいってそうだけどさ。結婚考えてるんだよね。』


ｱﾀｼ『どんな人？』


海羽『明日ｵﾌでﾃﾞｰﾄなんだけど夜連れて来るね』


ｱﾀｼ『誠一郎にも話しておくね。』


海羽『よろしくね』



海羽が結婚を考える年になったんだ。なんかあっという間だったな。

誠一郎も40過ぎてから白髪混じりになってﾀﾞﾝﾃﾞｨ路線で、大海は誠一郎によく似ていた。
ﾁﾋﾞだったけどちゃんと背ものびたし。
野球やってたから、ごつい体型だけど。


海羽はｱﾀｼに似て、細いけど胸はある、みたいな。背は誠一郎だから170cmはある。



海羽が似合う子って言ったら誠一郎くらいなきゃね。ま、海羽を愛してくれる人なら良いんだけど。




ｱﾀｼ『誠一郎』


誠一郎『何？』


ｱﾀｼ『海羽が彼氏連れて来るって今日』


誠一郎『ｷﾞｬﾙ男は駄目だ』


ｱﾀｼ『それは、学生までの話でしょ楽しみね』






そして





海羽『ただいま〜母さん連れてきたよー。』


ｱﾀｼ『いらっ…しゃい』


誠一郎が出てきた。



誠一郎『…。』




海羽『どうしたの？２人して目丸くして』


『はじめまして海羽さんとお付き合いさせて頂いてる立花健人です。』




ｱﾀｼと誠一郎は自分の目を疑った。
目の前にいたのは、ｹﾝｼﾞそっくりの子だったから。



海羽『お母さん？２人してどうした？あ格好良いからびっくりしてんでしょ。学生時代ﾓﾃﾞﾙもしてたからねえ？健人』


健人『そんな話はしなくても…』


ｱﾀｼ『あ…上がって』


健人『お邪魔します』





ﾘﾋﾞﾝｸﾞに４人で座る。





海羽が出会いや彼がどんな仕事をしているかなんかを話してくれた。




ｱﾀｼ『銀行にお勤めなの。真面目な方なのね…』


ﾓﾃﾞﾙの経験があって、しかも銀行ﾏﾝ…。
ｹﾝｼﾞと全く同じ。



銀行はｹﾝｼﾞと違う場所だったけど。




健人『あの、僕の顔に何かついてますか』