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7章:−女の恨み−
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俺はこの年にしては早くに出世した。
バリバリ残業して、いろんな企画に顔出して。
同期で役職ついて休みが自由になる権利を持つのは俺くらいだ。
それに、自分で言うのはおかしいけど、それなりに見た目もイケてるはず。
最近久しぶりに生やし始めた髭も若い事務から『素敵〜』と影で言われてるみたいだし。
ランチに誘えばついてくるし。
狙おうと思えばいつでも女が手に入る位置にいる。
だけど愛希を愛しているし子供たちも可愛い。
とにかく家族を愛している。
なのに、だ。
2人きりになって、見惚れていたらしい。
断然愛希の方がスタイル良いし、可愛い。
まるでTypeじゃなかった女とその数時間後にベットの中で『愛してる』なんて言い合っていた。
とにかく不思議な女だ。
今だに、どこが好きかわかんないでいる。
翌朝
愛希に
をして出勤した。
事務『おはようございます。課長
』
ちょっとブリッコした声で挨拶をくれたのは、ウチの課でも人気の桜ちゃん。
桜『なんか今日は雰囲気が違いますね
あと、アタシ昨日休みだったんで伝言されなかったのが1件あるんですけど…』
俺『え?今なんて?』
桜『伝言があるんです。女性の声で名前をお聞きする前に直接かけます、って切られてしまったんで。』
俺『桜ちゃんはなんて?』
桜『課長は出勤何時か聞かれたので本日はお休みを頂いています、と。そしたら直接かけるんで、と言われました。昨日連絡きました?女性から。なんかおしとやかで柔らかい話し方で印象は良かったですよ
打ち合わせの事で、とも言ってましたが。』
愛希だ。
かけてきてたんだ。
俺『そっか、ありがとな。無事に会えたから大丈夫だよ。ちなみに、何時あたり?
きたのって。』
桜『んーっと。』
ぷくっとした、グロスがきれいに塗られた唇がなんとも可愛い。
桜『9時半ですね
課長がいつも出社される30分前に。』
俺『わかった…ありがと
そのグロスきれいだね。似合ってるよ。』
桜『本当ですかあ
これ限定で出たチェリーブロッサムって名前がついたグロスなんです
』
俺『ぴったりじゃん。』
照れた笑い方がまた可愛らしい。なんて言ってる暇はなかった。
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