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6章:−兄弟どんぶり− (27/33)


会場にはたくさんの人でごった返していた。
定員は80名くらい。


MAX100入る箱に80名だから、まあ余裕はあった、



アタシは事務所に入って、福島さんにドレスを着せてもらった。




福島『胸入るかしら。コルセット…』


アタシ『なんとか入れてください。福島さんお子さんいるんでしょ?ウチは2人いるの』


福島『社長に聞いたの?あの人ほど鈍感な奴いないよね』


淋しそうに笑った。


アタシ『もしかして…?』


福島『当たり。悠吾を選んだのは高2で妊娠しちゃったから、悠吾に芝居してもらったの。妊娠した、なんて言えなかったから。あいつ留学したいって仕事頑張ってたからさ。邪魔はしたくなかったの。んで悠吾に手を出した事にして愛情図ったんだよね。』


アタシは黙って聞いた。


福島『したら、すんなりお前が選べって。あの時の一平はさ、自分の意志はなかったんだよね。だから悠吾んとこにいくならいけよ、俺はこれで心おきなく留学生活Enjoy出来るから、って感じだった。』


とりあえずコルセットはつけられたけど、胸がきつい。


福島『だけどね、親に話したら好きな人の子なら生みなさいって。全面的に協力するからって言われて、生む決意をしたの。ただし悠吾には一平に言わないでって言っておいた。今は小学校2年になる。』


アタシ『女の子?』


福島『男の子よ。』


アタシ『ウチの子と同じくらい。』


福島『既婚者だとは思わなかっただけどね一生言わないつもり。一平の心がこっちに向いてないんだから意味ないわ。』


アタシ『あなたは?』


福島『わからないあの子が大きくなって聞かれたら教えるかもしれないけどね。』




シャーッ
ファスナーが上がった。




福島『行ってらっしゃい。あなたから言わないでね。今まで黙ってた意味なくなるから。』




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…愛のかたち… ©著者:愛希

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