2章:−旦那とﾊﾞﾂｲﾁ紳士− (2/12)

ようやく徹夜や朝帰りが終わったのが１ヶ月。


３日間くらいまとまってお休みが取れたらしく、海羽をｳﾁに預けて、旅行に出掛けた。




海羽が生まれてから誠一郎はﾌｧﾐﾘｰｶｰを主に乗り回していたけど、遊び用にｽﾎﾟｰﾂｶｰもあった。





ｱﾀｼ『お疲れさま』


誠一郎『これがよくあるんだとしたら倒れるな』


ｱﾀｼ『ｱﾀｼは淋しくて弱っちゃう』


誠一郎『可愛いｾﾘﾌだね。』



海羽が不安がるから１泊にして早急にお迎えに行く事になっている。

母さんも光希も海羽にべったりだからまだ良いけど。あんだけ部活少女だったのに海羽だけは特別扱い。


時々『貸して』とかって言われる。生き物だって自覚あるのかしら。





誠一郎『ついたよ。』



自宅から３時間くらいで宿についた。
離れの宿だから、観光はせずにのんびりする。




冬に来ると雪が幻想的な世界を作るらしく、すぐに満員になるらしい。


離れの雰囲気もかなり良かった。本当にご褒美って感じだ。




食事とお布団の時だけは専属の仲居さんがつく。
至れり尽くせりってﾔﾂ。




ｱﾀｼ『良いお宿だね』



誠一郎は離れの隅々まで見回っていた。男の子だな。



誠一郎『海羽がもう少し大きくなったら連れてこような』


ｱﾀｼ『だね』




内風呂と露天があり、露天はﾃﾞｯｷの真ん中に配置されていて、また可愛い造りだった。



山の中にあるから景色も最高だし。




誠一郎『まずは本館の風呂にでも行くか』


もちろん男女別で、とにかく広くてゆったり浸かれた。




ｱﾀｼ『はぁ〜癒される〜』



早い時間だからまだ人もほとんどいなくてなおさら気持ち良い。





湯けむりの中、ちゃぷちゃぷしながら、手足を伸ばす。




お風呂にゆっくり浸かるのって久々だなあ。海羽中心の生活だから。


ふと、長谷川さんの事が思い出されて頭を振る。




いけないいけない。




大人の魅力…
ｽﾏｰﾄな会話とか行動とか。

ああゆうおじさんに憧れてる若い子って結構いるもんなあ。




ちょっと遊ぶならあれくらいが良いのかも。




ちゃぷん





お湯の中で、身体のﾗｲﾝを見る。





長谷川さんの触れ方を思い出して恥ずかしくなった。