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20章:22の秋
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20章:22の秋
「紗理奈ちゃんてさ、両親とか育ち、マトモでしょう?」
里沙が私にそう聞いた。渋谷のスペイン坂にあるカフェで、里沙は撮影終わり、私は休みで時間を合わせた。
里沙の私服はカジュアル。誌面とは別人のようなファッションなのだ。
今日は大きなだてメガネにパーカーをきている。
「え?」
「だから、育ちが普通でしょ?」
「う〜ん……」
うちの父親は、まあまあ知られた会社にいる。母も茶道や華道の先生で、正直貧乏とかそうゆう思い出はない。
毎年誕生日パーティーがあって、プレゼントがあって、怒られた記憶もない。
「やっぱり〜。だからあまちゃんなのよ」
ふふんと笑い、予想どおりと満足げな笑顔。
「紗理奈ちゃん、すぐ病むよ?特に地方出身者は狙われやすいんだから」
「そりゃ、事務所の人も悪いよ?だけど、すぐデカい仕事くれる確率が高いよ。そしたら紗理奈ちゃんの夢は叶うわけじゃん?」
ペペロンチーノを食べながら、里沙は喋り続ける。
「例えば、歌手になりたい夢があるとする。そのためにプロデューサーと寝る。夢が叶う。その子もプロデューサーもバンバンザイじゃん」
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