16章:砂漠 (2/18)

旦那に背を向けて寝る日々が続いた。

たまにセックスを求められても寝たふりをしてやり過ごす。

旦那に触れられる事を身体が拒否していた。

もうこの身体と心は樹のものなのだ。

樹が社員になるのを静かに待ちながら、毎日離婚を切り出そうとはした。

それでも言えないまま、時間だけが過ぎる。

こんな私は樹を本当に愛してるとは言えないんじゃないか。

私は自分で自分の首を締めている。