10章:執着 (17/17)

「ふわぁ〜…眠い。」

美奈の様子はいたっていつも通りだ。

何も言ってこないならこちらからも聞けない。

（まさか…ばれてて知らないふりしてるだけとか…？）

自分に負い目があると全て疑って見てしまう。

それも取り越し苦労だったのか、何事もなく１日は終わった。

（やっぱり考え過ぎか…。）

家路につく私は１日中緊張していたせいか、気が抜けていたかもしれない。

戦いはこうして始まったのだ。