4章:気持 (2/13)

複雑な心境のまま夜を向かえた。

珍しく残業のない旦那と共にした夕食は、まるで味がしない。

「…百合？全然食べてないけどどうした？」

「え、あ…なんでもないよ。ちょっと味薄かったかなって。」

「そんな事ないよ？百合さ、疲れてるなら無理して働かなくてもいいんだぞ？」

（悪い人じゃないんだけど…。）

今までだって特に不満があった訳ではない。

たまに空回りしてるけど、私を愛してくれてるのはわかる。