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イジメが始まって、どんどんその行為がエスカレートし出した頃、僕は遠藤に呼び出された。
──両親が開業医の遠藤の家は、まさに豪邸といった感じで、遠藤の部屋も殺風景だけど、おしゃれで広くて、高級感が漂っていた。
そんな高級感漂う部屋に置かれた革のソファで、遠藤がふんぞり返って座っている。
僕はというと、遠藤の前で情けなく正座をしていた。
「オマエさ、藤谷亜椰と幼なじみなんだろ?」
「…うん」
「うん、じゃねぇよ…はい、だろ?」
肩に、遠藤の蹴りが入った。
「…はい」
僕が遠藤と会話するときは、敬語じゃなきゃいけない。
同級生に敬語を使うなんて、惨めだけど…敬語を使わないで、蹴られたり殴られたりするよりは、マシだ。
「いいよな…あいつ」
『あいつ』なんて呼ぶなよ…。
「オマエさ、亜椰紹介しろよ」
ふざけんな…。
オマエなんかに、亜椰を紹介してたまるか…。
気安く『亜椰』なんて、呼ぶなよ…。
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