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2章:彼女からのプレゼント
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──その瞬間…
僕は数分前に、脳内で浮かれていた自分を、抹殺したくなった。
紙袋から出てきた白いコートは、女物の服に詳しくない僕でもわかるくらい、どっからどう見なくたって女物のコートだ。
それに花柄のワンピースと、黒いタイツとヒール…。
ご丁寧に、茶色いロングの毛がフワフワと巻かれたカツラが、入っていた。
「ねぇ…?亜椰…」
僕は、玄関のドアをそっと開けて、亜椰を呼んだ。
「着替えたの?」
嬉しそうに振り向いた亜椰が、さっきと変わらない僕の姿を見て、また冷たい表情に戻った。
「…遅いんだけど」
「ごめん…でも、あの服…間違ってない?」
「……なにが?」
「なにがって…あれ、亜椰のじゃないの?」
「は?アンタのだけど」
「え?だって、あれ…女物だよ…ね?」
「うん」
うん?今、うんって言ったよな?
え…確信犯?
「いいから着替えてきてよ、それとも何か不満なの?皐月ちゃん」
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青い花 ©著者:壱乎
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