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1章:条件 (2/6)












「いいよ」

「……えっ…?」

「だから付き合ってあげる」








数時間前、ファストフード店に片思いの相手である藤谷 亜椰(フジタニ アヤ)を呼び出した僕は、告白をした。
幼なじみでもある亜椰に想いを寄せて、17年。


彼女に告白なんて、考えるだけで恥ずかしさと、関係が崩れてしまうんじゃないかという不安が押し寄せてきて、ずっと想いを伝えることが出来ずにいた。


けど、今回は天が味方をしてくれたというかなんというか…。
勢いで想いを伝えてみた。









「つ、付き合ってください!!」











これが告白したときの僕の言葉。


上擦った声で頭を下げる僕に、店内の客たちの視線が集中したのがわかる。
そして暫くしてから、周りからクスクスと笑い声も聞こえたりして…、失敗したなぁ、なんて後悔していたら冒頭で出てきたように、亜椰はあっさり「いいよ」と、返してきた。


まるで「消しゴム貸して」って言われたときみたいに、軽く…。




「ほ、ほんと…に?」

「うん」

僕の方を見ずに、亜椰は煙草を蒸かした。
華奢な指と身体に、細い煙草が似合う。

「本っ…当に僕と付き合ってくれるの?」

僕が聞くと、亜椰が僕を睨んだ。

「しつこい」

「ご、ごめん…」

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青い花 ©著者:壱乎

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