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6章:落ち着ける場所-翔-
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小さいけれど、2人で食べるには少し大きいホールのケーキを、翔さんは残さず食べてくれた。
私も少し食べたけれど、胃が重くなって1切れで止めた。
『毎年本当ありがとね。いつも1人寂しくやってた先祝いだけど、みぅちゃんがこうして来てくれるようになって、おじさん嬉しいよ』
翔さんは冗談混じりで言いながら、お皿やフォークを重ねていった。
『焦らせるつもりじゃないけど…来年こそは大切な人見つかるといいね』
『ありがとう。今年まだ終わってないけどね(笑)』
『あと1週間で終わりじゃん(笑)とりあえず俺は、自分の生まれた今日という日を大切に過ごすわ』
『りょーかい。じゃあまたね。次来る時は20歳になってると思うから』
『オッケー♪いよいよ俺のバーテンとしての腕を披露出来るって訳ね』
嬉しそうに笑う翔さんを見て、私もつられて笑った。
お店を出るとそこはいつもの歌舞伎町。
洗われた心が一気に黒く染まったような気がした。
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