5章:Fake Flower (2/8)

それから数ヶ月

出勤途中にトモと会う事も無く

勿論連絡なんてしていなかったので

私の頭からその男の存在は消えていった。



緑色の葉を沢山身に纏っていた木々たちはいつの間にか葉を落とし、枝だけとなっても尚、寒々しく立ちすくむ。



同じ毎日の繰り返し…

つまらない毎日に退屈していた。



そして私は
家で、男と裸で抱き合って寝ていた。

部屋にはﾃﾝｼｮﾝの高い音楽が流れている。


その部屋の隅には

フェイクの花が飾られている。