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7章:−ささやかな願い−
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バイト先に新人が入った。
女子3人いたうちの1人がやめたから。
募集したらしい。見事に女子的中
小柄で華奢で色白で、頬っぺと唇が真っ赤な子
年は夏実と同じ20歳
アタシより上にはまるで見えない。
名前は伊織
最初伊藤って読みそうになって1人で2度見した。
店長『伊織の担当は愛希な
ちゃんと教えてやって』
アタシ『ハイ
』
年上だけど後輩
年上だけどアタシと年が逆のような見栄え
なんか複雑(笑)
夏実『また店長のおっかけが出来たね
』
アタシ『そうなの?』
夏実『店長と話す時だけ上目遣いで媚びてたもん。まるでアタシだった。同じにおいがするわ
』
アタシ『仲間で良いじゃん。』
夏実『奪い合いだって。あわよくば、だからさ
抜け駆けしたら承知しない』
アタシ『そんなふうには見えないけどなあ。』
夏実『愛希は店長興味ないからさあ、わかんないんだよ。』
アタシ『そんなもんかね
』
夏実『早速店長にべったりだよ、ほらあれ』
確かに教育係はアタシのはずだけど、アタシじゃなく店長に聞いてる。
店長『俺じゃなくて、愛希に教わって
』
伊織『だめですかあ
店長に教わりたいですぅ〜』
あ、たぶんアタシこの子苦手なタイプだ。
ましてや同じ方面だから送りも一緒。
営業終了後
車内
夏実は彼氏が迎えに来たから送りには乗らなかった。
伊織『送りがあるなんて店長優し過ぎますぅ
ありがとぉございまぁす』
ちゃっかり助手席に座っていた。
伊織はマシンガントークで、とにかく店長の気をひいていた。
アタシはまたもや乗った瞬間から寝たふり。
降りる直前
伊織『あぁピアスが髪に…』
店長『え?大丈夫か?どれ』
薄目をあけた瞬間
伊織はとんでもない事をした。
店長の首に手を回してキスをしたのだ。夏実なんてまだ可愛いもんだった。
店長『ンッ…』
チュッ、チュッ、チュル…
車内に響いた。
かなり濃厚なキスだった。
アタシはびっくりして声も出なかった。
伊織『ッハァ…店長ずっと前から好きでしたぁ。遊び相手にしてくださぁい』
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